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広告

2005年5月24日

バッターボックス後ろの広告を変える技術

松井井口イチローなど日本人プロ野球選手が大リーグで活躍する昨今、大リーグの試合中継を日本でも観られるんだって?もし観たことあるとしたら、バッターボックス後ろの広告看板に表示される広告(上写真の丸で囲った部分のこと)が、刻々と変わっていくのに驚いたことはない?

いや、日本で中継するときに変わってるのか知らないけど、アメリカで放映してるときには変わっていく。しかもヤンキースとか日本人選手のいる試合をやってるときに、英語の広告が多くを占めるなか「○○生命保険」だとか日本語の広告がときどき出てくるのでビックリする。

この驚きの広告を支えているのが、Sportvisionという会社の技術。そもそも広告をクルクル変える技術に特化してたわけではなく、スポーツ中継の分かりにくい動きを可視化するというSportvisionの特許技術を広告にも応用させたというわけだ。

スポーツ中継の可視化」とは具体的にどんなことをしてるのか。顕著な例がアメフト中継に表れる黄色い線だ。その名も「1st & Ten」という技術。

この技術により、攻撃側チームがこれからどこまで進まなきゃいけないかという場所に黄色い線が表示される。この線、観てるとすごいリアルで、あたかもフィールド(競技場)に直に引かれてるかのように見えるのだがそうじゃない。攻撃が進むにつれて、黄色い線もちょっとずつ前進してゆく。

このリアルな黄色いラインを実現してる裏に、Sportvisionの並ならない努力が潜んでいる。試合当日になると、試合会場にSportvisionの専門部隊が何台ものコンピュータをバンに積んでやってくる。試合会場のフィールドの芝の色、それからフィールド内に登場する選手や審判のユニフォームに採用されてる色をコンピュータ内にセットする。かいつまんで言うと、これらの色を用意しとくことと会場内のカメラに込み入った仕込みをしとくことで、

「カメラから送られてきた映像内の、黄色いラインが引かれるべき位置の画素が芝の色だったら黄色に置き換えること。その位置に選手や審判のユニフォームなど事前に用意した色がある場合は黄色にしないこと」

というコンピュータ処理を可能にする。太陽の照り具合とか影の具合などによる色の変化なども折込み済みで。

会場に張り込んでいるバンでは、試合の経過に合わせて黄色い線の表示位置の最新情報をコンピュータに打ち込んでいく。

あとは会場内のカメラから送られてくる映像が、どの位置のカメラがどの角度で撮ろうがズームインしてようがズームアウトしてようが、黄色い線があるべき場所に黄色い線を確実に表示してくれる。なおかつ、その黄色い線の部分を選手が走り抜けても選手の上に黄色い線がかぶらないので、とてもリアルに見える。

・・・というこの極めて複雑な技術が、大リーグ中継の打席後ろの広告看板に仕込まれてるのだ。

あの看板部分に物理的にあるのは、ただの緑色の平面。でもテレビ上では、どの色を消してどの色を消さないかというコンピュータ処理のおかげで、審判や選手が手前にいるにも関わらずあたかも本物の広告看板が背後に掛かっているように映し出されるのだ。この技術のおかげで、放送地域によって広告主を変えたりイニング毎に広告主を変えたりと、結果的にテレビを観ている側からすると広告看板がクルクル変わってるように見える。


ひょっとして日本のプロ野球中継でも、すでにこんなことは当たり前なの?何もこの特許技術を使わなくとも、映画を作るときみたいに合成処理とかなら普通にできそうだし。


他にどんなことに応用できるだろう。駅伝なんかどうだろう。たとえば箱根駅伝。私の出身校がほぼ毎回出るので日本にいたときはほぼ毎年見てたけど、抜きつ抜かれつの接戦とか涙ながらの棄権とかの山場は結構まれで、多くは粛々と走ってる場面ばかり。で、粛々と走ってる場面では必ず、あの手前の2台の先導バイクがテレビ画面のド真ん中のいいとこに映ってる。

たとえばバイク運転手のヘルメットの部分またはサングラスのグラスの部分にスポーツメーカーのロゴ(ナイキのスウッシュロゴとかプーマの虎ロゴとか)を区間変わりで映し出すとか。「次の区間はどこのメーカーかな?」とか新しい楽しみができそうだけどね。

2005年5月24日 火 13:03 | トラックバック (4) | このネタをtwitterでつぶやく

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» バッターボックス後ろの広告を変える技術 from [N]
笑biz: バッターボックス後ろの広告を変える技術というエントリーがありました。 松井や井口やイチローなど日本人プロ野球選手が大リーグで活躍する昨今、大リーグの試合中継を日本で... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年5月24日 18:28

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メジャーリーグなどに使われる広告ってF1でも使えますよね〜。 フェラーリが走っている画面だと広告がFIATやシェルに、マクラーレンが走っている画面ではベンツやモービルに... [続きを読む]

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トラックバック時刻: 2009年3月25日 17:53

コメント

や。久しぶり。
広告は日本の野球でもたまにやってるんじゃないかな。
試合後にフィールドにでかい広告がでてたりするけど、あれは多分、blogに書いてある方法だと思うよ。

最近、紙みたいな激薄のディスプレイが出来たから、そういうのもいいかもね。
コーヒースタンドでコーヒーを買ったら、カップに表示されている広告が変ったりとか。

もう、仕事ってしてるんだっけ?

投稿者 kuba : 2005年5月24日 火 13:38

この技術については、たぶんそうだろうなぁ、とは思っていましたが、周りで知っている人がおらず、取り上げてもらってうれしいです。

さすがアメリカ!くだらないことに本気でお金をかける人たちだわい、と感心しました(笑)。
確かサッカーとかバレーボールなんかだと、看板でバスの行先表示みたいな布がぐるぐる回っているのを見たことあるんだけど、その方が原始的なのでうーんと安いんじゃないの?という感じもしますが・・・。

この技術、もし個人消費者に向けて使うとなると、
浮気の時のアリバイ工作として使えると思う。テレビ電話とかでリアルタイムに景色とか入れらそうだし(笑)。

投稿者 zaza : 2005年5月24日 火 13:46

kubaちゃん、おひさしぶりぶり。仕事は秋からだよん。思えば、こうやってアメフトルールが分かるようになったのも、チミのおかげさまなのよね。心から感謝なのだ!

zazaさん、
このネタが気になってたとは、さすがいいとこに目をつけておられますな。
>看板でバスの行先表示みたいな布がぐるぐる回っているの
あれね。あれだと、時間ごとに変えることはできるけど、放送地域ごとには変えられないからね。多くても数十件広告主を視聴者全体にお届けするって感じじゃない。一方、件の技術を使うと、時間帯と地域を細分化して組み合わせることで、何百もの広告主を細分化した視聴者に届けられるようになるからね。そう考えると、件の技術はコストもかかるけど実入りも増やせるって感じなのかも。

投稿者 mio : 2005年5月24日 火 15:12

なるほど、そして納得です。
ということはですよ、将来的には
そのテレビを見てる人の好みや趣味にあわせて、看板が家庭によって変わるなんてのもありでしょうな。

その看板に他局の裏番組の広告をだすほど「仁義無き戦い」じゃないんだろうな(笑)。

投稿者 zaza : 2005年5月24日 火 16:00

バーチャルリプレースメントってやつですな。

> あの手前の2台の先導バイクがテレビ画面のド真ん中のいいとこに映ってる

バイクを緑に塗って、ライダー(あ、警官か)もミドレンジャーみたいにして、風景でリプレースすれば、白バイを消せますね。うっとおしいものは観たくないですね。

投稿者 カザリヤ : 2005年5月24日 火 21:17

僕の印象では 日本ではそれほど使われていない気がします。少なくとも捕手の後ろにはめ込むことはやっていません。フォールドやゴルフコースに文字が出るのは見たことがありますが、それは簡単にできますから特別面白くはないです。
日本でのアメリカンフットボール中継で黄色い線を見ましたが、選手に重なって見えたりして、なかなか寂しい思いをしました。
アメリカではほかに アイスホッケーでパックの軌跡を生で表示する技術も試されていましたが、あれは実用されていないのでしょうか。今季NHLは試合自体がなくなってしまいましたがw。

投稿者 けん : 2005年5月25日 水 06:49

う。しまった、フィールド でした・・・
簡単にできますから っていっても やり方は知らない・・・
箱根駅伝は近所を走るので生で見たりしました・・・
正月のご祝儀広告なんかを出すといいですね・・・
どうも 失礼いたしました・・・

投稿者 けん : 2005年5月25日 水 06:58

zazaさん、
>その看板に他局の裏番組の広告をだすほど「仁義無き戦い」じゃないんだろうな(笑)。
その逆のことはあったみたいね。CBSが街頭中継かなんかしてるときに背後にNBCの広告看板が映ってたのを何某かのテクニックを使って消したとか(NBCがCBSを、だったかも。よく覚えてない)。問題になったらしいよ。

カザリヤさん、
>バイクを緑に塗って、ライダー(あ、警官か)もミドレンジャーみたいにして、
ははは、それ面白い。可視化じゃなくて透明化してしまいます、と。ときどき真緑のレンジャーを映し出すのも、一興だよね。真剣に先導してるのになぜか真緑という。

けんさん、
>選手に重なって見えたりして、なかなか寂しい思いをしました。
それ、めちゃめちゃ寒いね。
>アイスホッケーでパックの軌跡を生で表示する技術も試されていましたが、あれは実用されていないのでしょうか。
あれは、ホッケーファンから相当苦情が出たらしいよ。「真のファンにこんな小手先のマネはいらん!」みたいな。あと、パックと軌跡の色がド派手な色だったのも悪かったみたい。で、つける色を黒っぽいシンプルな色にしたりとか一定速度以上出たときだけ色付けるとか工夫したらしい。でも私ホッケー観ないから、今どういうことになってるのかよく知らないや。。。

投稿者 mio : 2005年5月25日 水 13:42

日本でも、やろうと思えば数年前からできました。
やっていないのは、技術の問題ではなく、放送ルールとか広告出稿契約の縛りとか、そっち方面の理由です。
ちなみにこの手の技術はイスラエルが優秀ですよ。

投稿者 m : 2005年5月27日 金 09:38

え、やってるでしょ?<日本のプロ野球
少なくとも3年くらいは前から見てたけど。
球場で見ると何もない壁部分が、放送で見ると広告になってます。
番組中で内容が変わっているところは見た覚えが無いけど、別の日に見るとスポンサーに合わせて換わってます。

投稿者 米太郎 : 2005年5月27日 金 11:39

mさん、米太郎さん、コメントどうもありがとう!
おふたりのコメントから察するにもしかしたら日本だと、放送局によって&会場となる球団によってやってたりやってなかったりするのかもだね。

投稿者 mio : 2005年5月27日 金 15:22

はじめまして、こんにちは
少なくとも、ゴルフ中継では少し前から見かけていました
どうやっているのか不思議でしたが少しだけ理解でき
見るたびにモヤモヤしていたのが晴れそうですw

投稿者 himajinn : 2005年5月28日 土 00:32

himajinnさん、どうもありがとう。うん、私もこのネタ元になってる、アメフトのイエローラインの出し方についての解説を観たとき、すんごくスッキリしたもんね。

投稿者 mio : 2005年5月29日 日 13:52

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